八百万 自然の中の神々からのメッセージ 霊峰 富士を祀る 富士山本宮浅間大社 ~木花之佐久夜毘売命 (浅間大神)~

Date : 2017.9.15 / Author : Cosmic Academy Japan

富士山を祀る富士山本宮浅間大社は、全国1300余ある富士山信仰浅間神社の総本宮として称えられています。

富士山は、今でこそ年間30万人以上もの登山者を国内外から受け入れる安らかなる山ですが、社伝によると、大昔、富士は遥拝する山であり、人が登る山ではありませんでした。
というのも、第7代孝霊天皇の御代に大噴火し、国中が荒廃した時代が長く続いたからでした。

そのため、紀元前27年第11代垂仁天皇の時代に荒ぶる山霊を鎮めるため、浅間大神を山足の地に祀ったといわれています。山足の地とは、特定の地名をいうのではなく、富士山麓のいずれかの場所を選んで祭祀を行ったのではないかと推測されています。

その後、第12代景行天皇の子 日本武尊が浅間大神を現・山宮浅間神社に遷しました。山宮浅間神社は、御祭神を祀る神殿はなく、富士山を直接拝む古代祭祀の形式です。

さらに、第51代平城天皇のときには、征夷大将軍・坂上田村麻呂が現在地・大宮に遷し、社殿を造営しました。大宮の地は、富士山の神水いわれる湧玉池があるため、遷座には最もふさわしい地として選ばれたのではないかといわれています。また、噴火の際に流れ落ちた溶岩は、湧玉池で流れを止めたとも伝えられています。

現在の本殿は他に例を見ない二階建てで、国の重要文化財となっています。これは徳川家康公が関ヶ原の戦いに戦勝した御礼として、本殿、拝殿、楼門など約40棟を寄進造営したものです。

富士山の噴火を鎮めるために、御祭神として浅間大神が祀られていましたが、その後、木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやひめのみこと)と同一神とされるようになりました。
なぜなら、富士山の噴火を鎮めた神が浅間大神ならば、火の中で無事に出産した木花之佐久夜毘売命を、浅間大神同様に火を鎮める神として祀ったとされています。

富士山本宮浅間大社の主祭神は、木花之佐久夜毘売命。
相殿神に、夫の瓊々杵尊(ににぎのみこと)と、父親の大山祇神(おおやまづみのかみ)が祀られています。

ここで、少し神話の話をしましょう。

最高神・天照大神の孫であり、天皇家の祖先ともいわれる瓊々杵尊は、木花之佐久夜毘売命と出会い一目惚れしました。すぐに結婚を申し込むために、木花之佐久夜毘売命の父・大山祇神に使いを出すのですが、大山祇神は嫁入りの品とともに、木花之佐久夜毘売命の姉・石長比売(いわながひめ)も一緒に嫁がせようとしました。
でも、石長比売の顔が醜かっために、瓊々杵尊は、石長比売だけを実家に送り返してしまうのでした。
これに対して姉妹の父・大山祇神は嘆き、「石長比売を娶るなら、瓊々杵尊の命は岩のように揺るぎなく永遠に続くでしょう。しかし木花之佐久夜毘売命だけ娶るなら、あなた様の命は花のように儚いものになるでしょう」と伝えたといいます。

ここから、瓊々杵尊の子孫である天皇は永遠の命を失ってしまったと言い伝えられています。
ところで、富士山本宮浅間大社の境内にあるしだれ桜は有名ですが、この桜は、武田信玄公が寄進したもので、信玄桜ともいいます。
桜の儚い美しさと木花之佐久夜毘売命の美しさを喩え、主祭神が木花之佐久夜毘売命になっていったのも理解できます。
また、木花之佐久夜毘売命は火の中で無事皇子を出産をしたということから、子宝・安産のご利益があると有名なのだそうです。

それから、富士山に登ったことがある方ならよくご存じでしょうか。
山頂には奥宮があります。また、富士山の噴火口は浅間大神の幽宮(かくれのみや)といわれ、人が入ることのできない禁足地です。
その深さが8合目に達するため、8合目以上が富士山本宮浅間大社の境内地なのです。

このように、富士山は古来より神霊が鎮座する山として、多くの人々の信仰を集めてきました。
そして、それを日々お祈りし、お守りしているのが富士山本宮浅間大社なのです。

(参考:富士山本宮浅間大社 御由緒)

⇒富士山本宮浅間大社ホームページ