豊かな土作り 地球の守り人 中原 稔コラム No.4

地球を守るために生まれてきたソウルメイトの皆さんこんにちは。お岩木山自然農園の中原稔です。みのっちと呼んでくださいね^ – ^

前回の記事では、野菜に硝酸態窒素が含まれてしまうメカニズムを説明しました。ほとんどの農家さんが肥料をたくさん使って野菜を育てています。それはある意味仕方のないことです。なぜなら肥料を使わないと野菜が育たないから。野菜が育たないのは土が痩せているからでしたね。

それでは肥料を使わずにどうやって健康な野菜を育てるのか。今回はそんなお話です。

あなたも「野菜を育てるには土作りが大切だ」と聞いたことがあるかもしれません。

しかし「本当に豊かな土」が、どういうものなのか理解している農家さんはわずかです。

肥料分の多い土が豊かな土だと誤解している人も多くいます。肥料をあげないと野菜が育たないと思い込んでいますからね。

肥料をあげれば、確かに見た目は、早く大きく育つので良いように思えてしまいますが、結果的に虫を呼び寄せて、虫喰いだらけの野菜になります。

これは野菜が硝酸態窒素をたくさん含んでいるためでしたね。味もアクやえぐみを多く含んだ不味い野菜になります。

そして虫を殺すために大量の農薬を撒いて、見た目だけきれいな野菜を出荷しているわけです。

では「本当に豊かな土」とは何でしょうか?

その答えは、「微生物の豊かな土」です。

では、どうやって微生物を土の中に増やすのでしょうか?

微生物を増やすには微生物の餌を土の中に混ぜてあげればいいのです。

微生物の餌とは何でしょうか?

答えは植物性の有機物です。たとえば、落ち葉、刈草、稲藁といったものです。

微生物はこの有機物を分解することが仕事です。有機物を餌にして微生物はどんどん増えていきます。

そして微生物が有機物を分解するときに粘液を分泌します。この粘液により、ごくごく微細な土の粒子がくっつき合い、団粒構造というものを作り出します。

団粒構造が増えると土がふかふかになります。この団粒構造にはとても大切な役割があるのです。

【団粒構造の役割】

団粒構造とは、1ミリ以下の小さな土の塊です。この土の塊には小さな穴がたくさん空いています。この構造を多孔質と呼びます。

この微小なたくさんの穴のおかげで団粒構造は、保水力、保肥力、通気性、排水性に優れています。

さらにこの小さな穴は微生物の住処にもなっているのです。

良い土はふかふかしていると言われるのはこのためです。

痩せた土にはこの団粒構造が少ないため、土も硬くしまってしまいます。トラクターで一時的に土を砕いても、雨が降ればまた硬くしまってしまうのです。

団粒構造の多い豊かな土は柔らかく、通気性があるため、野菜の根もぐんぐん伸びていきます。
実は植物の根っこが伸びていくには酸素が必要なのです。

根をしっかり張ることによって、野菜は土からしっかりと養分と水分を吸収することができます。

豊かな土とは微生物の豊かな土だと先ほどお話ししました。ここでもうひとつ大切な条件があります。それは微生物の多様性です。

たくさんの種類の微生物が共存していることが大切なのです。1種類の微生物が増えてしまえばそれは野菜に病気を引き起こします。
根こぶ病などはその最たるものです。

一般の圃場では土の中に有機物が少ないため、微生物が増えることができず多様性も生まれないため病原菌が繁殖するのです。

自然界の豊かさとは、この多様性にあると言っても過言ではありません。多様性の絶妙なバランスの中ですべてが循環しているのです。

自然界ではひとつの種類の生物が増えすぎれば、元のバランスに戻すように大いなる力が働きます。それは多様性こそが豊かさなんだということの証明だと思うのです。

人間は本来、その多様性のバランスの調整役であるはずなのに、現実は自然のバランスを破壊し、自分さえよければいいとふんぞり返っています。

その行為が自分の首を絞めていることにも気付かずに。地球に残された時間はもう残り少ないと言われています。
この危機的状況に気づき、行動に起こす人を一人でも多く増やさなくてはいけません。

あなたも是非、自分にできることから行動に移してください。私はこの農法を広めることが、地球を救うことにつながると信じています。

現在、畑がなくても誰でも簡単に無農薬野菜が育てられる「おうち Organic Farm」というオンラインスクールを制作中です。
5月中旬には発売予定ですのでご期待ください。

話がそれてしまいました。

微生物の多様性こそが豊かな土の条件なのです。豊かな土では野菜と微生物が共生関係を築きます。野菜の根から微生物の餌となる養分を出し、微生物は野菜に必要な栄養や微量元素などを与えます。

そうやってお互いに栄養をやり取りすることによって、過不足なく栄養を吸収して野菜が健康に
育つのです。

必要なものを必要なだけ供給してくれる微生物がたくさん土の中に住んでいるからこそ、肥料をあげなくても野菜は健康に
大きく育つのです。

硝酸態窒素を含まないため、当然虫が食べにきません。仮に虫が硝酸態窒素を含まない野菜を食べても、虫はその野菜を消化できずに死んでしまいます。その辺の話はまた次回に。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

(文:地球の守り人 中原 稔)

地球の守り人 中原稔コラム
No.1 農業で輝ける世界作り
No.2 この野菜、虫が食べる?食べない?
No.3 ミツバチは知っている 人類の行く末を!