地の因縁 邪なるものの器になった魂

2024.1.31  Chikako Natsui
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土地の因縁・カルマを

全身で受けていたような魂だった。

 

容姿は、お世辞にも整っているとはいえず、

むしろ、その逆であった。

 

その容姿と歪んでしまった性質からか、

周囲の人びとから忌み嫌われ、

歪みに拍車をかけていた。

 

この世界、和を乱し、輪に入らぬものは、敬遠されがち

輪に入らなかったかもしれないが、

輪に入れなかったのかもしれない。

 

集団の陰、闇。

 

ひとりひとりの重苦しい感情エネルギーは、くっついたり離れたりしながらも、

大きなひと塊りの闇のエネルギーになった。

だが、誰もそれに気づかない。気づきたくない。みたくない。

そんなものがあるとは考えたくない。分からない。

すると、そのエネルギーは生き場を失い、彷徨う。

 

すると、しめしめ、いい器を見つけたとばかりに、

人びとに阻害され、同じように恨みつらみを溜め込んでいた人間に憑りつく、入りこむ、操作する。

まるで、人びとの感情のゴミ箱になったようだ。

 

複数の人びとの、たくさんの重苦しいエネルギーがひと塊りになって、そのひとに入りこむ。

そして、生かし続ける。

それは、とても興味深いこと。

自分であって、自分ではない。

邪なるものの入れ物になり、生きるとは。

 

その頃、魂は闇の中でじっとしていただろう。

恨みつらみ、感情エネルギーは魂の本質ではない。

動きたいけど、動けない。黒い霧に纏わりつかれている。

光は射さず、光は見えず。

暗い暗い闇の中で、灯りは点らない。

 

しかし、ある時、天の氣が大きく動いた。

激しいエネルギーが降り注ぎ、

地の氣は、これまでになく、祓い浄められた。

 

ひとも、土地も、大きく激しく浄められた。

 

すると、かのひとを器にしていた邪気・悪鬼が消え去った。

 

そして、その器になっていたひともまた旅立った。

 

 

なんとも切ない話だが、

どこにでもある地の因縁。

ずっと続く土地のエネルギーとそこに引き寄せられた人びとのエネルギーがシンクロした結果のこと。

 

地にある八百万

和か荒か

どちらの面を見せるのか、

そこにも、ひとの氣が大いに関わる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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