フォースとともにあれ！　時の翁を訪ねてみれば

時の翁を訪ねた。

翁は、いつもそこにいる。

翁は、静かに座っている。

翁は、絶大な安心感を放つ。

わたしは、それが好きだ。

なにかというと、翁を訪ねる。

翁は、なにを語るでもない。

翁は、なにかを教えるでもない。

その瞳は、真っすぐと遠くを見据える。

あるとき、こんなモヤモヤを抱え、翁を訪ねた。

「この日は、アレの日だ」

「その日は、アレをしよう」

「あの日は、アレをしなければ」

カレンダーを見ると、

頭の中に、あれこれスケジュールが押し寄せる。

すでに過去のこと、

まだおきてもいない未来のこと、

意識が「いま、ここ」から乖離する。

答えを求め、

時の翁を見上げてみれば、

いつものように、

そこに座り、

絶対的な安定感で、

遠くを見つめたまま。

目は遠くを見据えたままだが、

翁の氣は、ここにある。

すると、

頭の中に、言葉が現れた。

時は、イリュージョン。

頭の中でつくられる、幻想。

それは、大宇宙へ還る道すがら、破壊するもの。

再び、時の翁を見上げてみれば、

さっきと同じように、

そこに座り、

遠くを見据えている。

ふと、目元が和らいだように見えたのは、

わたしの錯覚だろう・・。

それもまた、幻想。

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